革靴って機能性最悪なのに、なんでメジャーなの?

って、ふと思いました。

慣れるまで靴擦れ起きるし、蒸れるし、脱着に時間がかかるし、センス無いと野暮ったいし、安いわけでもないし・・・・
特に日本って、夏とか、どこの熱帯雨林だよ・・・とコンクリートジャングルの中でボヤきたくなる高温多湿っぷりで、革靴はほぼ拷問。先日観た映画、『沈黙−サイレンス−』の中で、逆さ宙吊りにされて肥溜めに顔を漬けられる拷問が出てきたのですが、ソフトなそれって感じです。

さらに日本では、家に入るときは靴を脱ぐ習慣があるので、脱着する機会が多いので、それに時間が取られない方が絶対いい!

なんででしょう・・・・

で、わたしを苦しめる革靴は、いったいどういう経緯で、どうやってここまで辿り着いたのでしょうか。厳しく、問い詰めたいです。

革靴のルーツ

まず、紀元前後頃のローマでは、靴屋があって、サンダルやら足首あたりまでの靴やらが売っていました。さすが古代ローマ。やってることが現代っぽい。

でも、現代の革靴に直接繋がるルーツでいうと、 古代から中世のゲルマン人 が履いていたブーツのようです。
彼らは、狩猟して生活していました。なので、 森林とか沼地とか険しい山地とかを暴れ回れることが必要 でした。暖かくて、耐水性があって、頑丈な、もう、トレッキングシューズ超欲しい、って感じで、革製ブーツを発明したようです。

で、彼らは歴史を経て、ヨーロッパの北の方から徐々に 地中海方向に生活する場所を移動 していきました。南の方は、暖かいし、森とか沼地とかが少ないです。

そうなると、
”このブーツ、なんかゴツく感じてきたなぁ・・・・歩きづらいし、脱ぎづらいし・・・”
となり、
”足首から上のところ、いらねぇなぁ・・・ 切っちゃえ!
となり、足首から上が無い革靴が生まれました。

その後、 ゲルマン人はヨーロッパ中に広がり 、それに合わせてこの靴も広まりました。

そこから先、近代までにかけて、靴は、機能より オシャレであることが重要視 されるようになりました。女性用はパンプス、ハイヒール、男性用はローファーなどが生まれました。

まとめると、森や沼地を歩く用の靴のお気軽じゃない部分を切って、オシャレにした・・・という感じですかね。

一方、日本

f:id:osajiru:20170309102929j:plain

日本には、ゲルマン人と同じ狩猟民、我らが 縄文人 がいました。彼らも、ブーツのような革靴を履いていました。目的も同じ。縄文人の文化を強く引き継いでいると思われるアイヌの人たちの昔の写真を見ると、ブーツだったり、草履だったりします。多分、狩り用の靴がブーツだったのかなぁと想像します。

でも、その革靴は普及しませんでした。
多分、ゲルマン人は、ヨーロッパ各地を征服する形で広まって言ったのに対し、縄文人は、征服される側として、弥生人と同化していったという経緯が大きいのでしょう。

古事記とか読んでも、縄文人の後継と思われる人たちは農耕・定住をしない野蛮人というスタンスです。彼らは彼らで独自の文化を発展させてきていましたが、野蛮人という見方となると、その文化は受け入れられないでしょう。

で、弥生人ですが、田植えの際に作業の効率を上げるために、田下駄を履くことはありましたが、 基本裸足か草鞋(ワラジ) だったようです。

草鞋は弥生時代に発明されていて、明治頃までメジャーな存在で、昭和になっても使っている人がいました。
余り物から作れるので、安上がりでエコだし、通気性抜群だし、滑りやすいところでも滑らないし、脱ぎ履きし易い。 日本の風土・文化にピッタリ だったのです。草鞋最強。

古墳時代から奈良時代になると、それとは別に、中国から木の靴やら革靴やらが伝わってきたようで、貴族階級は、それらを履いていたようです。でも、庶民は裸足か草鞋だったようです。

あんなこんなで、農民から武士が生まれ、武士が支配階級になりました。もう、支配階級から一般民衆までみんな草履。スマホより普及してる。
下駄はどちらかというと、贅沢品の部類だったようです。

で、明治になり、西洋文化の一つとして革靴が入ってきました。

明治ちょっと前の坂本龍馬です。一番有名なこの写真は、革靴を履いています。ちょっと、足の指と指の間の水虫が痒いのをこらえてる風に見えます。わたしには。

Sakamoto Ryōma.jpg
By 上野彦馬写真館にて井上俊三が撮影。 - 高知県立民俗歴史資料館所蔵品。, パブリック・ドメイン, Link

こんな感じで、西洋文明の多くを日本は受け入れましたが、 革靴は広まらなかった ようです。
高いし、日本の風土・文化に合っていなかったから。
使われたのは、軍隊などののみようです。

明治〜大正の人たちは、進んで革靴を選択しなかったのです。

で、 普及しだしたのは、 戦後 になってから。
急速に生活が豊かになると同時に欧米化しました。たいていの店が土足で入れるスタイルになり、服装が欧米化し、という流れの中で革靴も受け入れられました。
また、草鞋は、 過去の貧しい生活の象徴 のようになってしまい、敬遠されました。
今となっては、草鞋なんて履いて街歩けない。わたしにはムリです。
その後、スポーツシューズなど、より機能性に優れたものが生まれてきています。
で、今です。
わたしは、今、ちゃんとした社会人として見られたいので、一般常識として革靴を履いているのです。草鞋は履けません。スポーツシューズも、周りの視線によっては、履けません。
全部、わたしの意思で、しているのです。ふぅ。


おまけ:靴の誕生

一応、靴がいつごろから生まれたかについても書いておきます。
人間は、猿から進化し、「知能」を武器に色々な環境に拡がっていきました。
人間以外の動物は、その環境に合った体の構造をしている、というか、体の構造に合った環境に棲んでいます。
でも、それと関係なく色々な環境に拡がった人間は、環境に合わせる手段を発明するしかなかった、というか、発明して拡がっていったという感じです。

それが『衣類』であり、『靴』なわけです。

紀元前4万年 辺りの人間の足の骨の化石を見ると、靴を履いていた形跡があるそうです。

物自体で言うと、まず、 紀元前5500年頃のサンダル が、ミズーリ州で見つかっています。

足を覆う形での靴でいうと、もっとも古いものは、 紀元前3500年頃 です。下記リンクにその記事があり、写真も載っているのですが、靴紐とか断熱材とか入ってて、デザインもなんかオシャレ。 

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2779/

それ以降、紀元前3000年頃になると、中国で下駄が発掘されたり、イラク南部のシュメール文明の遺跡から、なんと「陶器」で出来た靴が発掘されています。

© 2009-2017 Osajiru All Rights Reserved.