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知的集約型産業に向く組織体系

IT産業などの知識集型産業は、他の業種と比べると 少ない元手 で始められるものが多い。

特に最近は、クラウドサービスがどんどん進化していて、人件費以外の費用が、より少なくて済むようになってきている。

元手はいらないが、何よりも必要になるのが、 アイディアや知識 だ。

株式会社は出資者が所有者となる。会社が生んだ利益は、出資比率の配分で分配される(配当)。

社員は会社の所有者ではなく、会社から雇用された単なる従業員だ。社員は、会社から労働の対価として給料をもらう。会社から見ると、社員への支払いは、人件費という「費用」だ。

ITなどの知識集約型産業の儲けの源泉になるのはアイディアや知識で、それを創り出すのは社員だ。

なので、社員が生み出した儲けの源泉を会社に譲渡するという形となる。その社員は、アイディアと知識を譲渡する前も後も、会社にとっては「費用」であり続ける。

そして、そのアイディアや知識が産んだ利益は、それほど必要でない資金を出した出資者へ配分される。

アイディアや知識は、「これがやりたい」という 志向 が無いと生まれない。 株式会社の目的は出資者に利益を還元すること で、その志向とは関係がない。さらにはその志向とは関係ない社員が所属している。そのため、そのアイディア等を基にして生まれる計画について、参加する社員が意欲を持てるかどうかは分からず、会社は抱えている社員に仕事を割り当てる必要があるため、そのような社員が仕事に従事することになる。その結果、その社員は、賃金を得るために労働力を提供するだけの「 労働者 」となる。

知識集約型の仕事は、何より個人の 意欲 がパフォーマンスに大きく影響する。また、その志向をさらに進める新たなアイディアも、意欲が無ければ生まれない。

株式会社は、大規模な設備を回して利益が生むような、例えば電力や鉄道のような産業に向いているもので、知識集約型産業とは相性が悪い。(IT人身売買業の上の方に位置するような企業や、研究開発型の企業には多少メリットがあるかもしれない・・・)

さらには、株式会社が最も向いている業態は、従業員が機械的に労働するようなもので、近い未来に機械で置き換えられるようなものだ。

会社には、株式会社の他に 合同会社 という形態がある。

この形態では、 社員=出資者兼従事者=所有者 という形になる。利益の配分は、出資比率により決まるわけではなく、自由に決めることができる。また、 有限責任事業組合 という形態もある。これは基本的には合同会社と同じだが、法人で無いというところが合同会社とは違う。そのため、こちらの方がより個人が前面に出てくる形態となる。

上でも書いたが、知識集約型産業でパフォーマンスを出すのに必要なのは、参加する個人の意欲だ。

存在する一般的な会社の形態では、まず組織があり、その中で目的が決まる。製品等の利益を生み出すプロジェクトは、組織の中で生まれ、そのプロセスは繰り返され、それが出来なくなった時点で消えていく。

組織に所属するメンバーは、すべてのプロジェクトに対して意欲が持てるはずもない。その目的で組織に参加しているわけではないから。

プロジェクトに対して意欲を持つメンバーを参加させるには、その プロジェクトごとに組織を作る しかない。そして、そのプロジェクトが完了することで、その組織も解散する。合同会社か有限責任事業組合ような形で、プロジェクトごとに立ち上げられるのが、形としてはベターだ。

目的があって、それに向かう方法や仕組みがあって、それに共感できる人が参加する。このブログでのテーマの一つとしている、 分散自立組織(Decentralized Autonomous Organization, DAO) の形だ。

ただ、合同会社や有言責任事業組合を立ち上げる形は、税金や費用の面でデメリットが多いので、それなりの規模があるプロジェクト単位で行うべきだろう。

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