読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ボクらの40代前のご先祖様は顔タトゥーを入れていた

一昨日、ボクは夢を見た。
身体中にタトゥーを入れた数十人の遠いご先祖様たちに、「マジメに生きろ」と尻をペチペチと叩かれる夢だ。
イタイイタイと、いい大人のボクが夢の中で泣いていた。

すべては週末、 山梨県立考古博物館 で見た、土器や土偶のせいだった。

f:id:osajiru:20141118062417j:plain

縄文土器のキマり具合

甲府は結構な遺跡ヘヴン。
石器時代や縄文時代の頃は、当時の政令指定都市ランクと言えるくらい栄えていたらしい。

そんな甲府にある博物館。
ご当地土器とかご当地土偶とかがイッパイ並んでいた。

縄文土器って…
改めて見てみると、すごく仰々しい。

あっちこっちの出っ張りが、グワッとポーズをキメている。
もうその自己主張の強さにイラッとくるレベル。

「いや、それ必要ないから。お前、食い物入れる入れ物だから。」

耐えかねたボクは、土器に向かって直接ディスった。

それを聞いた土器が、より仰々しいポーズをボクに見せた。
ように見えた。

数分間、ボクと土器は睨みあった。

ふと気づくと、ボクの周りを仰々しい土器達が取り囲んでいた。

「やられる。」

ボクはサッと、後方抱え込み2回宙返り3回ひねりで後ろに飛びのき、カニ歩きで走り去った。

走りながら、ボクは考えた。
なんでこんなにムダな出っ張りがイッパイ付いているのだろう。
隙間に汁とか垂れたら、拭き取りづらくて、不潔でしょうがない。

でも、食い物に対する熱い思いでこうなっていることは間違いない。

食い物に対する情熱を表現したらこうなった。
小学生男子が、好きな子のリコーダーの吹く部分をコッソリ交換するような、そんなちょっとひねくれた愛情表現だったに違いない。

それにしても、色んなとこがウネウネしていて、結構なデザインセンス。
これを土器だけに使っているのはもったいない。

縄文タトゥー

ふと足を止めると、横には土偶が置かれていた。
土偶の顔を見ると、 ほっぺの上をほうれい線に平行な感じで線がいくつか入っていた

たまたまこの土偶だけに線が入っていたのではない。
どの土偶にも、このほっぺ線が入っていた。

人間を普通に真似た結果こうなったのだとしたら、当時の人達には、この線が入っていたのだろう。
タトゥーだ。

縄文人センスでは、頬タトゥーがおしゃれだったのだろう。

古代の日本人がタトゥーを入れていたという記録は、昔の書物にもいくらか出てくる。

まずはお決まりの『 魏志倭人伝』。

「男子は、大人・小人の別なく、皆、顔や身体に刺青をしている。」
「文身(いれずみ)をするのは、大魚(サメ)や水禽(ウミヘビ)からの被害を避ける為であったが、次第に本来の意味は薄れて、ただの装飾となった。居住地の習俗によって、文身の模様はそれぞれ異なり、左にしていたり、右にしていたり、大きかったったり小さかったり、身分の尊卑によっても違いがある。」

とある。

古事記 』にも出てくる。 神武天皇東征後の話。
大和を征服した神武天皇は、三輪(奈良県桜井市)のボス、大物主神の娘、比売多多良伊須気余理比売(ヒメタタライスケヨリヒメ)を嫁に貰おうと企み、大久米命を使者にやった。
その大久米命を見た伊須気余理比売は、大久米命が目の周辺に裂けるような刺青を入れていてビックリしたという記述だ。
くっきりアイメイク。デカ目の基本。
今のトレンドをすでに取り入れていたのだ。

また、100年ほど前の話。
九州の近く、台湾にいる 高砂族もタトゥーを入れていた。

映画『 セデック・バレ 』は、この高砂族が主役になっている映画で、このタトゥーを見ることができる。 映画では、主役の母ちゃんが唇の周りにタトゥーを入れている。


賽德克巴萊Seediq Bale セデック・バレ正式預告2 Theatrical Trailer 2 ...

ちなみに、この映画にも出ている ビビアン・スー は、漢人とこの高砂族のハーフ。
高砂族は南方系で、あのオリエンタル感は、高砂族から来ている。

アイヌ人の女性も、唇の周りにタトゥーを入れる文化があった。

本州を挟む形で南北に同じ文化があるということは、本州でも同じ文化があったことが想像できる。

ボク達のご先祖様がボクに内緒でタトゥーを入れていたことは、間違いない。
証拠がこんなに残っているのだ。

博物館脱出

土器と土偶に囚われたボクは、やっとの思いで博物館を出た。

この博物館の隣には、デッカイ円墳と前方後円墳がある。

ボクは這うように歩き、前方後円墳の頂上に寝転んだ。
デカイ。
気持ちいい。
間違いない。
いいなぁ、これ。

「ボクも銀座に前方後円墳建てて、ホステス埴輪に囲まれて死ぬぞ。」

青春ドラマの一場面のように、ボクは固く心に誓った。
(写真は、円墳から見た前方後円墳)

f:id:osajiru:20141118062155j:plain

この時、夢の中でタトゥーご先祖様に尻を叩かれるとは、思ってもいなかった。

月と蛇と縄文人―シンボリズムとレトリックで読み解く神話的世界観

月と蛇と縄文人―シンボリズムとレトリックで読み解く神話的世界観

縄文人になる!  縄文式生活技術教本 (ヤマケイ文庫)

縄文人になる! 縄文式生活技術教本 (ヤマケイ文庫)

© 2009-2017 Osajiru All Rights Reserved.