源信ーR18級拝み本で海外まで拝ませた僧

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源信
平安時代の人で、印中韓日混合ユニット「 七高僧 」の一員。

七高僧を総合プロデュースしたのは、親鸞。浄土真宗を作った人だ。

親鸞の七高僧選出条件。それは、

  • 自ら拝み倒してること
  • オリジナル拝みを生み出していること
  • その拝みがプロデューサーのオレ的に正しいこと
  • 大ヒット拝み本を作ってること

だった。

源信は『 往生要集 』という大ヒット拝み本を作った。
この本のヒットは半端ではなかった。
日本中どころか、宋でもヒットすることとなった。

なんでこんなにヒットしたのか。
それは源信のストイックすぎる生きざまにあった。

天才少年時代

源信は、小さい頃から賢かった。

賢いガキほど憎たらしいものはない。少なくともボクにとっては。
そんなボク目線で9歳の頃の話を書く。

ある日、源信が河原をブラついていた。
河原、つまんねぇ。
何か面白い事無いの?

すると、坊さんが鉢を洗っているのを発見した。

おやおや、これは楽しめそうだぞ。
源信は坊さんに駆け寄った。

「ちょっとちょっと、こっちの川よりあっちの川の方が綺麗なの知らないの?ほら、汚いでしょココ。ねぇ、坊さん、どうしたの。何汚い方で洗っちゃってるの?ん?」

お坊さんは、大人の力を示そ うと、ここぞとばかりに仏教知識をひけらかした。

「すべては平等。綺麗も汚いも無いんだ。そう見えるのは、お前が未熟者だからだよ、坊主。な?」

チェックメイト。
源信の目がギラッと光った。

「じゃあ、なんで鉢洗ってんの?ん?汚いとか無いんでしょ?ん?ん?」

坊さんは、何も言えずに、目に涙を浮かべながら帰っていった。

この話が比叡山に伝わった。

そして、本当の大人の力が働いた。

この坊主を野放しにしておくわけにはいかない。
比叡山は、源信の下にスカウトを派遣
源信を比叡山へ入門させ、囲い込みを行った。

隠遁生活へ

その後源信は、15で出家。
そこから40手前まで、高野山でストイックに勉強と修行に明け暮れる青春を送った。

源信は、修行する中で、どんどんと頭角を現して いった。

比叡山内や朝廷から重宝される存在となり、出世街道まっしぐら。

しかし、39歳になったある日、全てを捨てて 隠遁生活 に入った。
隠遁生活は4年続いた。
その間源信は、これまたストイックにひたすら勉強しまくった。

その後、突如として筆を取る。
ストイックに学び続けた知識を、またまたストイックに6ヶ月の間ぶつけまくり、『 往生要集 』が完成した。

往生要集

この本。

「オレ達、バカだから、昔のエラい人の言ってること、よくわかんね。もう拝むしかねぇ。拝み極めるしかねぇ。」

ということを色んな書物を片っ端から引用して、まとめあげた本だった。

そのまとめ方は

1.地獄はこんな感じ
2.浄土(以下、ヘヴン)はこんな感じ
3.ヘヴンに行くには拝め
4.ヘヴンに行く拝み方
5.拝みってすばらしい

のような感じ。順を追って論理的に話を進める感じで、とても分りやすい、拝み入門本だった。

しかし源信。あまりにもストイックに、この本を書き上げてしまった。

その結果、最初の地獄解説があまりに綿密で、リアル&グロテスクになってしまった。
もう読んだおっさん達がトラウマになってしまうレベル。

拝み入門書なのに、R18指定な内容になってしまったのだ。

どんな感じか。
この本によると、ソフトなものから順に、以下8つの地獄があると書かれている。( 八大地獄

  • 等活地獄
  • 黒縄地獄
  • 衆合地獄
  • 叫喚地獄
  • 大叫喚地獄
  • 焦熱地獄
  • 大焦熱地獄
  • 阿鼻地獄

この中で1番ソフトな「等活地獄」の説明を、このブログ文体で翻訳してみる。

この地獄は、他人をクソでぶっ殺したいと思ってるようなヤツら専用地獄。

そんなヤツらばっかり集まってるんで、鉢合わせした途端に、会ったヤツが手に着けた鉄の爪で襲ってくるゾ。
そしたら襲われる側も、ふざけんなと思って相手に飛びかかる。
お互い鉄の爪で掴みあい、血が飛ばしながら引き裂きあうんだ。

でも、死なねぇ。
だって死んだからここにいるんだし。
相手も死なねぇ。 死なねぇからいつまでも襲ってくる。

そいつが襲ってこないようにするために、相手が塵になるまで引き裂き続けねぇとなんねぇ。
もちろん、相手もそうしてくる。

そんな感じなんで、勝ってもギリ塵じゃないレベルになっちまう。 するとそこに地獄の鬼がやってきて、とっ捕まえられて、金棒で頭のてっぺんから足の先まで粉々にされっちまう。
最後に跡形もなくなって全てが終わると思いきや、そこに風が吹いてきて、また元に戻るゾ。イヤッホゥ。

そしてまた地獄をうろつき、鉢合わせしたヤツと八つ裂き合いがスタート。
永遠にその繰り返しだゾ。

おっかねぇ。

源信は、これを持って太宰府に行き、宋の商人に渡した。 そしてこれが、中国の 天台山国清寺 に届き、回し読みされた。
この地獄表現に、読んだ坊さんが全員失禁。(多分)
中国大陸で消えかかった仏教の火を再点火させることとなった。

中国でブームになっている。
噂を聞きつけた日本の貴族が、これを逆輸入。

この頃から逆輸入に弱い日本人。 一気にこの本が話題になり、これまた日本中が大失禁。
恐怖による拝み大ブームが到来した。

さらには、ここで書かれた地獄・ヘヴンが、日本人共通の地獄・ヘヴン像になり、様々な地獄絵図やヘヴン絵画、文学作品を生み出した。

その後の源信

『往生要集』の大ブームが基で、源心は朝廷から 権少僧都 の役職を与えられる。
でもそれも1年くらいで、辞める。 そして、「 二十五三昧会 」という、怪しい拝み結社に参加。

この「二十五三昧会」。
目的は、「地獄に行きたくねぇから、会員誰かが死にそうになったら全員で拝み倒して、ヘヴン行きを助け合おうぜ!」というもの。
そして、「ヘヴンに行ったら、残りのメンバーに報告しろよな!」という約束もある。
「あの世探検隊」だ。

そんな感じで引き続き学び続け、『 阿弥陀経略記 』という本を書き上げた。

その数年後、源信は死亡。
弟子の夢に登場し、「オレ、ヘヴン行ったよ!」と報告したという。

往生要集〈上〉 (岩波文庫)

往生要集〈上〉 (岩波文庫)

絵本地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵

絵本地獄―千葉県安房郡三芳村延命寺所蔵

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