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伝兵衛 - ピョートル大帝の関心を東に向けた商人

めちゃめちゃデカい領土を持つロシア。
このデカさは、1581年のシベリア進出から始まった。

そこから60年かけてオホーツク海まで進出。
1699年には、 アトラソフ がカムチャツカ半島を征服した。

北方民族博物館

この時、「 伝兵衛 」という日本人が、カムチャツカ半島南部辺りの原住民 イテリメン族 に捕虜となっていた。(上の写真の5番)
伝兵衛は商人。商船に積んだ金銀を巻き上げられていた。

このイテリメン族とかのカムチャツカ半島の原住民、日本人とは無関係に見える。
でも、そうでもない。

彼らは、千島アイヌ、樺太アイヌらと交易していた。
そしてアイヌ人は、和人と交易をしていた。

この交易ルートで、日本の鉄製品などが、この地の原住民にも渡っていた。

そんな感じで、日本との関係も多少ある。
なので、日本人が漂着することは他にもあっただろう。

アトラソフはこの伝兵衛を保護し、サンクト・ペテルブルグにいる ピョートル大帝 の下に送った。

ピョートル大帝、興味津々

ロシア初代皇帝、ピョートル大帝は、オランダ東インド会社で船大工として働いていたことがあった。
なので、オランダが対日貿易を独占して、オイシイ思いをしていることを知っていた。

ボクもオイシイ思いをしたい!
サンクト・ペテルブルグに伝兵衛という日本人が連れて来られたことを知ったピョートル大帝は、興味津々になった。

根掘り葉掘り、話を聞きまくった。
噂通り、金銀がイッパイあるらしい。
ピョートル大帝は、日本との貿易がオイシイことを悟る。

そして1702年。
大北方戦争中のピョートル大帝。
ヨーロッパ文化移入禁止の勅令を出し、もう一つ、勅令を出した。
それは、

日本との交易準備をせよ!

というもの。

日本との交易準備をせよ!

具体的にはこういうものだった。

1. 日本語を話せるロシア人育成

ピョートル大帝はまず、伝兵衛にロシア語を覚えさせ、伝兵衛に日本語教師の役割を与えた。
そして、日本語を話せるロシア人を育成した。

2. 日本リサーチ

日本との交易準備として、貿易ルートの調査と、日本人のロシア商品需要がどんなもんかを調査させた。

3. 北方原住民の編入

金になる毛皮製品を貿易アイテムに加えた上で、貿易拠点を作るために、カムチャツカ半島や千島列島辺りの原住民をロシアに編入した。

ロシアの千島列島進出

コズレフスキー というロシア兵士がいた。

ヤンチャな彼は、ヤンチャが過ぎて上官をぶっ殺してしまった。

やべぇ。。
牢屋にぶち込まれる。。。
なんか手柄立てて帳消しにしなきゃ。。。

そう考えたコズレフスキーは、ピョートル大帝の勅令に乗っかって手柄を立てるため、 コサック兵 を率いて 千島列島 に進出した。

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1711年、イテルメン族の首長を案内役として、千島列島の一番北、 シュムシュ島(占守島) に上陸。
この地の 千島アイヌ を銃器を用いて制圧。
翌年には、その南の パラムシル島(幌莚島) も支配下に置いた。

そして、この地の千島アイヌを全員ギリシャ正教の洗礼を受けさせ、改宗させた。

この探検でコズレフスキーは、カムチャツカ半島に漂流していた日本人、 三右衛門 を、案内兼通訳として連れてきていた。

三右衛門は、この後、日本へは帰れずに、サンクト・ペテルブルグに送られ、ロシア人と結婚して帰化した。

伝兵衛、日本に帰れず

photo by Alexxx1979

しばらくし、伝兵衛は、日本への帰国を嘆願した。
しかし、まだロシア人は日本へのルートも分からず、到達する技術もなかったため、不可能だった。

伝兵衛は、ピョートル大帝からギリシャ正教の洗礼を受けさせられ、ロシア人としてサンクト・ペテルブルグで死去した。

その後のロシアの東方政策

その後も、 ベーリング探検隊 などにより、どんどんと千島列島を南下した。

この動きを江戸幕府も察知し、1785年に 田沼意次 により、 蝦夷地調査団 が組織された。
そのメンバーだった 最上徳内 は、単身で国後、択捉を越え、 ウルップ島(得撫島) に到達した。
途中の択捉では、交易で来ていたロシア人と接触。色々と情報交換をした。

そこから、 レザーノフ の日本交易を求める使節や、 間宮林蔵 の樺太探索など、接触が増えていくことになった。

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