ウホーリーに探される−13話.恐怖のUV

野菜を陳列しなければ・・・

てっちゃんは、とりあえず冷蔵庫のチルド室を開けてキャベツを取りだし、 1枚1枚めくって丁寧に陳列した。

これでよし。
そう心の中で呟くと、晴れ晴れした表情で店を開いた。

すると、風が店のなかに吹き込み、 キャベツの葉っぱが、ヒラヒラと店の外へ舞っていった。

「ちょ、まっ、もう!」

てっちゃんはキャベツの葉っぱを追いかけ、店の外に飛び出した。

「やだもう!すっごい紫外線!」

てっちゃんのUV対策は隙だらけだった。

そして、隙だらけのてっちゃんに対し、 紫外線は右脇腹を中心に容赦なく降り注いだ。

てっちゃんは必死に右脇腹をガードしようとしたが、 両手は2mくらいあるリーゼントを支えるために埋まっていた。

この両手を外したらリーゼントが犬に踏まれる。 そう考えると、どうしても両手を下ろすわけにはいかなかった。

「もうだめだ」

3時間ほど耐え、完全にグロッキーになったてっちゃんは、 リーゼントを地に着けないよう、両手両足で抱えこみながら、息絶えた。

2時間後、近所のゆうたろうさんが叫びながら走ってきた。

「てっちゃん、お米券2枚余ってるよ!しかも全国共通って書いてあるよ!」

ゆうたろうさんは満面の笑みでてっちゃんのところへ駆け寄った。

「え?2枚も?」
てっちゃんは意識を取り戻した。

てっちゃんはすぐさまゆうたろうさんからお米券を受け取り、 右手に1枚、左手に1枚握りしめた。

紫外線はまだ右脇腹に降り注いでいた。

てっちゃんの両手はお米券で埋まっていた。
そしてゆうたろうさんの両手も、てっちゃんのリーゼントを支えるために埋まっていた。

ちくしょう。 てっちゃんは薄れゆく意識の中で、 ゆうたろうさんの右脇腹が、 オレによって守られていることに気づきながら、 息絶えた。

てっちゃんが息絶えたことを確認すると、 オレは最高の悪い顔で、 両手に握られたお米券を毟り取った。

てっちゃんの死に顔を確認すると、 おれは叫んだ。

「社長?!」

てっちゃんはオレの会社の社長だった。 てっちゃん青果の社員は社長とオレだけだった。 社長は死んだ。次の社長はオレだ。

オレは、ライターを取りだし、社長のリーゼントに火を付けて火葬した。
アディオス、社長。

オレはてっちゃん青果に出勤した。 長い通勤は終わった。

5分後にまた、長い帰宅が始まる。
だが、そんなことは今はどうでもいい。 今は、無事通勤をし終えたことに浸っていたいのだ。

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