ウホーリーに探される−8話.恐怖マチマチ

ヤツは、最初にハマチを入手しようと、店へ行った。

「おい、マスター」 ヤツは、脳を揺らす重低音ボイスで言った。

「ハマチ、ハウマッチ。」
念のためにもう一度言った。

「ハマチ、ハウマッチ。」

すると店長は、
「すいません。魚系は、金魚とか熱帯魚しか扱ってないんですよ。」
と、水槽に水草を入れながら、面倒臭そうに答えた。

「じゃあ、これでいいか・・・」 ヤツはハマチを諦め、出目金を買った。

あとは、どうやって鹿を騙して、この出目金をハマチだと思わせるかだ。

ノリだけでなんとかごまかせるだろうか・・・ ・・・イケる。ごまかせる。
ヤツは長年の勘で、そう判断した。

店では、犬、猫、うさぎなども売っていた。
「これでいいか・・・」
ヤツは鹿を諦め、チンチラを買った。

野望を達成する条件は、揃った。 ヤツは出目金と出会わせるために、チンチラのクビ根っこを掴んで持ち上げようとした。

その時・・・

「待てぃ!」

店の外から、お声がかかった。

声の主は、近未来風にデザインされた全身ツナギと、フルフェイスヘルメットを着用していた。その横には、お揃いのデザインで、色違いの格好をした人が4人いた。

「おい、ちょっと待てよ!」

5人は、ズカズカと店内に入ってきた。

「そのチンチラ、オレが予約したんだぞ!」
赤は、そう怒鳴った。

「そうだそうだ!」
他の4人は、声を揃えて言った。

「オレによくなついてるんだぞ!」
赤は、さらに怒鳴った。

「そうだそうだ!」
他の4人は、声を揃えて言った。

「こんな不正が許されていいのか?!この国に正義は無いのか?!」 「そうだそうだ!」

「お前、裁判で決着付けたいか?!」
「そうだそうだ!」

5人は、ヤツをまくし立てた。

「わかったよ・・・」
ヤツは諦めて、5人組にチンチラを渡した。

ヤツの野望は、ここに崩れ去った。

このメジャーデビューを夢見てアンダーグラウンドでヒーロー活動をしている5人組は、お得意のキメポーズを、店長に向かって大胆にやってのけ、ズカズカと店から出て行った。

完全な敗北だった。 ヤツは、脳を揺らす重低音ボイスで泣き崩れた。

つづく

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