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白村江の戦い

7世紀日本の最大の危機であった白村江の戦い。当時の倭、唐、百済新羅高句麗がどのような意図を持ち、どのような流れで起きたか。そして、結果、どのような影響があったかをまとめてみた。

唐の拡大

618年、高祖(李淵)が、隋の恭帝から禅譲を受けて皇帝に即位。唐を建国した。

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2代皇帝太宗(李世民)は、中国史上最高の名君とも言われ、様々な制度を設けて国内を安定させ、北方の遊牧民族国家の突厥を滅ぼしてモンゴル高原を支配下に置いた。

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3代皇帝高宗は、国内が安定したことをベースに拡大政策を取り、東トルキスタン方面や満州方面へ進出を計った。満州は当時、高句麗の領土だった。

朝鮮半島の動き

高句麗は、満州から朝鮮半島北部を領土としていた。隋から度々侵攻を受けたが、その度に領土を守り抜いた。

唐が高句麗に攻め込むことは、朝鮮半島国家は早くから予測していた。
高句麗百済と同盟を結び、背後の新羅を滅ぼすことで、万全の体制を整えようとした。しかしこれは失敗に終わり、結果、新羅は唐と同盟を結ぶこととなった。

また、高句麗は642年に国内でクーデターが起き、唐との戦争のための改革が行われた。

倭の対応

倭でも同様のことが起こった。645年の乙巳(いつし)の変と大化の改新だ。
蘇我入鹿中大兄皇子中臣鎌足が暗殺し、律令制度を導入。豪族たちの集合体だった体制を中央集権体制に改革した。
これも、唐との戦争のための体制づくりのためだと思われる。

百済の友好国でもあり、遣唐使で唐ともそれなりの交流のあった倭。
高句麗百済同盟に付くか、唐・新羅同盟に付くかは、7世紀東アジア外交の焦点だった。

朝鮮半島に影響力を残すには、百済を残す必要があると判断した倭は、高句麗百済同盟側に付いた。
百済は同盟の担保として、王子の豊璋を人質として送ってきた。

唐と対立する決定をした倭は、阿倍比羅夫の海軍を北方に遣わし、蝦夷とその北方にいる粛慎(みしはせ)を降伏させ、背後の憂いを取り除いた。位置としては北海道と樺太だと思われる。

百済滅亡

唐は、頻繁に高句麗へ侵攻したが、なかなか高句麗の領土を得ることはできなかった。
そのため唐は方針を変え、新羅と共に前後から百済へ攻めこみ、滅ぼしたあとで高句麗へ侵攻することにした。
百済は耐えきることができず、滅亡した。

百済再興

百済は滅びたが、遺臣達は反唐の立場をとり続けた。
倭は、人質の豊璋を送り込み、百済を再興させた。

しかし、その政権も新羅に追い詰められた。

中大兄皇子百済救済のため、朝鮮半島に軍を送り込んだ。

倭軍は、白村江河口を登り、陸の新羅軍を駆逐する戦略で進軍した。しかし、白村江には唐の海軍が先に到着していた。

白村江の戦い

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倭軍は、船数では唐軍を圧倒していたが、戦術は突撃一辺倒だった。そのため火計等の巧みな戦術を行った唐に大敗した。

敗れた倭軍は朝鮮半島内の倭人百済の臣を救出しながら撤退した。豊璋は高句麗へ逃亡に成功したが、百済は滅びた。

白村江の戦い

その後、天智天皇中大兄皇子)は、難波宮から琵琶湖に面した大津宮に遷都した。
これは、敗戦により唐が攻め込んでくることへの対応の要素が強いといわれている。

琵琶湖から川を伝って日本海に出ることができるため、そこから北陸方面へ撤退でき、同盟国の高句麗とも日本海から伝って行くことができるからだ。

結局、その懸念は現実となることはなかった。
唐と新羅朝鮮半島の領土分割を巡って敵対関係になったからだ。

新羅はその後、倭と関係を改善し、朝貢をしてくるようになった。

また、この頃、倭は日本という国号を使うようになったといわれている。
唐と緊張関係になることによって、あらためて自国というものを認識したことによるものだろう。

朝鮮半島は、百済が滅びた事により、北が高句麗、南が新羅という形になった。
高句麗は唐に滅ぼされ、南半分の新羅のみが残る形となった。

まとめ

白村江の戦いは、朝鮮半島満州、日本列島に唐の勢力が進出することを食い止め、倭の利権を朝鮮半島に残すための重大な戦いだった。

戦いには大敗し、朝鮮半島の利権は失われたが、日本列島への進出は行われなかった。

また、新羅や、高句麗の後継国ともいえる渤海が日本に朝貢してくるようになった。
これは、中華秩序への対抗軸としての立場を日本が獲得していたということだと考えられる。
この辺りは、戦った事により得たものであろう。


参考

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